親テーブルからフィールドを参照する場合、該当する親テーブルまでナビゲートするにはフィールド名の前に参照するリレーション名を追加する必要があります。フィールド名とリレーション名はピリオドで区切ります。

たとえば、親テーブルにOrdersを持つ、OrderDetailsメインテーブルの場合、２つのテーブルのリレーションは、Orders_OrderDetailsで表現されます。また、親テーブルからOrderDateにアクセスするには、以下の構文を使用します。

同様の方法で、さまざまなテーブルリレーションの参照が可能です。たとえば、前述の例のOrdersテーブルにCustomersという親テーブルがある場合は、２つのテーブルのリレーションはCustomers_Ordersとなりますが、CommandTextでメインテーブルをOrderDetailsに指定した場合は、親テーブルからCustomerNameフィールドを取得するには以下の構文を使用します。

注意: フィールドとリレーション名が同じである場合、参照誤りが発生する場合があります。

実行時にレポートにデータセットを設定するには、APIを使用します。

データセットプロバイダはデータテーブルを返します。データテーブルのすべてのフィールドが使用可能です。レポートのデータソースとしてデータセットプロバイダを使用する場合、実行時にレポート定義を設定し、ページドキュメントをLocateDataSourceEventHandlerにアタッチします。

以下の手順は、Visual StudioのWindowsフォーム上にページレポートのテンプレートおよびビューワコントロールが配置されていることを前提としています。それぞれの詳細については、「プロジェクトにレポートを追加する」および「Windowsフォーム用のビューワの使用」をご参照ください。

1. ［レポートエクスプローラ］で［データソース］ノードを右クリックして［データソースの追加］をクリックします。
2. ［レポートデータソース］ダイアログで、［種類］からDataSetProviderを選択し、ダイアログを閉じます。［レポートエクスプローラ］に［データソース］ノードが表示されます。
3. ［データソース］ノードを右クリックし、［データセットの追加］をクリックします。
4. 表示される［データセット］ダイアログで、［フィールド］ページを選択します。
5. ［フィールド］ページで、=Fields!ProductID.Value、=Fields!InStock.Valueの2つのフィールドを追加します。
6. ［OK］を押下してダイアログを閉じます。フィールド名を持つノードがデータセットの下に表示されます。
7. Visual StudioのツールボックスからTableデータ領域をデザイナ面上にドラッグ＆ドロップします。
8. ［レポートエクスプローラ］から、新規追加されたフィールドをTableの詳細行のセルへドラッグしてレポートを保存します。
9. Visual Studioの［ソリューションエクスプローラー］で、プロジェクト名を右クリックし、［追加］>［クラス］を選択します。
10. ［新しい項目の追加］ウィンドウで、クラス名をDataLayer.csまたは.vbに設定し、[追加]をクリックします。
11. ［ソリューションエクスプローラー］で、DataLayer.csまたは.vbをダブルクリックしてコードを開き、以下のコードを貼り付けます。

    Visual Basic

    Visual Basic（DataLayerクラス内に貼り付けます）

    コードのコピー

    Imports GrapeCity.ActiveReports.Expressions.ExpressionObjectModel Imports System.Globalization Imports System.Data.OleDb Friend NotInheritable Class DataLayer Private _datasetData As System.Data.DataSet Public Sub New() LoadDataToDataSet() End Sub Public ReadOnly Property DataSetData() As System.Data.DataSet Get Return _datasetData End Get End Property Private Sub LoadDataToDataSet() Dim connStr As String = "Provider=Microsoft.Jet.OLEDB.4.0;Persist Security Info=False;Data Source=[ユーザーのドキュメントフォルダ]\Samples\Data\Reels.mdb" Dim productSql As String = "SELECT top 100 * FROM Product" _datasetData = New DataSet() Dim conn As New OleDbConnection(connStr) Dim cmd As OleDbCommand = Nothing Dim adapter As New OleDbDataAdapter cmd = New OleDbCommand(productSql, conn) adapter.SelectCommand = cmd adapter.Fill(_datasetData, "Products") End Sub End Class

    C#

    C#（DataLayerクラス内に貼り付けます）

    コードのコピー

    using System; using System.Data; using System.Data.OleDb; internal sealed class DataLayer { private DataSet dataSetData; public DataLayer() { LoadDataToDataSet(); } public DataSet DataSetData { get { return dataSetData; } } private void LoadDataToDataSet() { string connStr = @"Provider=Microsoft.Jet.OLEDB.4.0;Persist Security Info=False; Data Source=[ユーザーのドキュメントフォルダ]\\Samples\\Data\\Reels.mdb"; string productSql = "SELECT * From Product"; dataSetData = new DataSet(); OleDbConnection conn = new OleDbConnection(connStr); OleDbCommand cmd = new OleDbCommand(productSql, conn); OleDbDataAdapter adapter = new OleDbDataAdapter(); adapter.SelectCommand = cmd; adapter.Fill(dataSetData, "Products"); } }

    メモ：DataSetDataSourceサンプルは、以下のコードで使用されるDataLayerクラスを作成する方法について説明します。 DataSetDataSourceサンプルは、デフォルトで\Samples\Page Reports And RDL Report\Dataのフォルダに配置されています。

12. WindowsフォームのタイトルバーをダブルクリックしてForm_Loadイベントのハンドラを生成し、以下のコードを追加します。

    Visual Basic

    Visual Basicコード（Form_Loadイベント内に貼り付けます）	コードのコピー
    LoadReport()

    Visual Basicコード

    コードのコピー

    Dim WithEvents runtime As GrapeCity.ActiveReports.Document.PageDocument Private Sub LoadReport() ' プロジェクト内にレポートへのパスを含むファイル情報（FileInfo）を作成します。 Dim rptPath As New System.IO.FileInfo("..\..\YourReportName.rdlx") ' FileInfoを使用してレポート定義を作成します。 Dim definition As New GrapeCity.ActiveReports.PageReport(rptPath) 'レポート定義を使用してページドキュメントを作成します。 runtime = New GrapeCity.ActiveReports.Document.PageDocument(definition) 'ビューワ上にレポートを表示します。タイトルを任意のテキストに設定することができます。 Viewer1.LoadDocument(runtime) End Sub '通常の方法でレポートのデータソースを見つけられない場合、ActiveReportsはこのイベントを発生させます。 Private Sub runtime_LocateDataSource(ByVal sender As Object, ByVal args As GrapeCity.ActiveReports.LocateDataSourceEventArgs) Handles Runtime.LocateDataSource Dim dl = New DataLayer args.Data = dl.DataSetData.Tables("Products") End Sub

    C#

    C#コード（Form_Loadイベント内に貼り付けます）	コードのコピー
    LoadReport();

    C#コード（フォームのクラス定義内に貼り付けます）

    コードのコピー

    private void LoadReport() { //プロジェクト内にレポートへのパスを含むファイル情報（FileInfo）を作成します。 System.IO.FileInfo rptPath = new System.IO.FileInfo("..\\..\\YourReportName.rdlx"); //FileInfoを使用してレポート定義を作成します。 GrapeCity.ActiveReports.PageReport definition = new GrapeCity.ActiveReports.PageReport(rptPath); //レポート定義を使用してページドキュメントを作成します。 GrapeCity.ActiveReports.Document.PageDocument runtime = new GrapeCity.ActiveReports.Document.PageDocument(definition); //ビューワ上にレポートを表示します。タイトルを任意のテキストに設定することができます。 runtime.LocateDataSource += new GrapeCity.ActiveReports.LocateDataSourceEventHandler(runtime_LocateDataSource); viewer1.LoadDocument(runtime); } //通常の方法でレポートのデータソースを見つけられない場合、ActiveReportsはこのイベントを発生させます。 private void runtime_LocateDataSource(object sender, GrapeCity.ActiveReports.LocateDataSourceEventArgs args) { DataLayer dl = new DataLayer(); args.Data = dl.DataSetData.Tables["Products"]; }

13. F5ボタンをクリックしてアプリケーションを実行してください。

以下の手順は、Windowsフォーム上にビューワコントロールが配置され、ページレポートがプロジェクトに追加されていることを前提としています。それぞれの詳細については、「プロジェクトにレポートを追加する」および「Windowsフォーム用のビューワの使用」を参照してください。

1. レポートエクスプローラで［データソース］ノードを展開し、右クリックして［データソースの追加］をクリックします。

2. ［レポートデータソース］ダイアログで［種類］か「Object Provider」を選択し、ダイアログを閉じます。［レポートエクスプローラ］に［データソース］ノードが表示されます。
3. ［データソース］ノードで右クリックし、［データセットの追加］を右クリックし、［データセット］ダイアログでフィールドページを開きます。
4. ［フィールド］ページで、「名前」に「Field1」、「値」に「name」と各フィールドを追加し、［OK］をクリックしてダイアログを閉じます。フィールド名を持つノードがデータセット名の下に表示されます。
5. Visual Studioのツールボックスから、Tableデータ領域をレポートのデザイナ面上に配置します。
6. ［レポートエクスプローラ］から、新規追加されたフィールドをTableの詳細行のセルへドラッグしてレポートを保存します。
7. レポートをDogReport.rdlxとして保存します。
8. ［ソリューションエクスプローラー］でフォーム名を右クリックし、［コードの表示］をクリックしてコードビューを開きます。
9. フォームのコードビューで、クラス定義内に以下のコードを追加します。

   Visual Basic

   Visual Basic（フォームのクラス定義内に貼り付けます）

   コードのコピー

   ' プロパティを呼び出すクラスを作成します。 Public Class dog Private _name As String Public Property name() As String Get Return _name End Get Set(ByVal value As String) _name = Value End Set End Property End Class ' データを格納するように配列を作成します。 Dim dogArray As System.Collections.ArrayList ' データ配列を埋め込むメソッドを作成します。 Private Sub LoadData() dogArray = New System.Collections.ArrayList() Dim dog1 As New dog() dog1.name = "border collie" dogArray.Add(dog1) dog1 = New dog() dog1.name = "cocker spaniel" dogArray.Add(dog1) dog1 = New dog() dog1.name = "golden retriever" dogArray.Add(dog1) dog1 = New dog() dog1.name = "shar pei" dogArray.Add(dog1) End Sub

   C#

   C#（フォームのクラス定義内に貼り付けます）

   コードのコピー

   // プロパティを呼び出すクラスを作成します。 public class dog { private string _name; public string name { get { return _name; } set { _name = value; } } } // データを格納するように配列を作成します。 System.Collections.ArrayList dogArray; // データ配列を埋め込むメソッドを作成します。 private void LoadData() { dogArray = new System.Collections.ArrayList(); dog dog1 = new dog(); dog1.name = "border collie"; dogArray.Add(dog1); dog1 = new dog(); dog1.name = "cocker spaniel"; dogArray.Add(dog1); dog1 = new dog(); dog1.name = "golden retriever"; dogArray.Add(dog1); dog1 = new dog(); dog1.name = "shar pei"; dogArray.Add(dog1); }

10. LocateDataSourceイベント用のハンドラを作成します。

    Visual Basic

    Visual Basic（Form_Loadイベント内に貼り付けます）

    コードのコピー

    Private Sub Form1_Load(ByVal sender As System.Object, ByVal e As System.EventArgs) Handles MyBase.Load ' プロジェクト内にレポートへのパスを含むファイル情報（FileInfo）を作成します。 Dim fi As New System.IO.FileInfo("..\\..\\DogReport.rdlx") ' FileInfoを使用してレポート定義を作成します。 Dim repDef As New GrapeCity.ActiveReports.PageReport(fi) ' レポート定義を使用してページドキュメントを作成します。 Dim runt As New GrapeCity.ActiveReports.Document.PageDocument(repDef) ' 実行時用のLocateDataSourceイベントを作成します。 AddHandler runt.LocateDataSource, AddressOf runt_LocateDataSource ' ビューワ上にレポートを表示します。タイトルを任意のテキストに設定することができます。 Viewer1.LoadDocument(runt) End Sub

    C#

    C#（Form_Loadイベント内に貼り付けます）

    コードのコピー

    private void Form1_Load(object sender, EventArgs e) { // プロジェクト内にレポートへのパスを含むファイル情報（FileInfo）を作成します。 System.IO.FileInfo fi = new System.IO.FileInfo("..\\..\\DogReport.rdlx"); // FileInfoを使用してレポート定義を作成します。 GrapeCity.ActiveReports.PageReport repDef = new GrapeCity.ActiveReports.PageReport(fi); // レポート定義を使用してページドキュメントを作成します。 GrapeCity.ActiveReports.Document.PageDocument runt = new GrapeCity.ActiveReports.Document.PageDocument(repDef); // 実行時用のLocateDataSourceイベントを作成します。 runt.LocateDataSource += new GrapeCity.ActiveReports.LocateDataSourceEventHandler(runt_LocateDataSource); // ビューワ上にレポートを表示します。タイトルを任意のテキストに設定することができます。 viewer1.LoadDocument(runt); }

11. LocateDataSourceイベントを使用して、オブジェクトからデータをロードします。

    Visual Basic

    Visual Basic（フォームのクラス定義内に貼り付けます）	コードのコピー
    Private Sub runt_LocateDataSource(ByVal sender As Object, ByVal args As GrapeCity.ActiveReports.LocateDataSourceEventArgs) If dogArray Is Nothing Then LoadData() args.Data = dogArray End Sub

    C#

    C#（フォームのクラス定義内に貼り付けます）	コードのコピー
    void runt_LocateDataSource(object sender, GrapeCity.ActiveReports.LocateDataSourceEventArgs args) { if (dogArray == null) { LoadData(); } args.Data = dogArray; }

12. F5を押してアプリケーションを実行します。